歌を歌う上で、呼吸は非常に重要な要素です。歌には複式呼吸が良いとされていますが、複式呼吸とは一体どんなものなのかを説明していきます。
呼吸の種類
呼吸は普段無意識に行っていますが、呼吸には大きく分けて「複式呼吸法」と「胸式呼吸法」というものがあります。
息を吸ったり吐いたりするとき、肺は膨らんだり縮んだり(収縮)しますよね。しかしそれは肺が自分の力で収縮しているわけでは無いんです。肺の周囲の筋肉が伸縮することで、肺もそれに連動して収縮しています。
複式呼吸の原理
複式呼吸の原理を説明していきます。
前項で説明したとおり、肺の伸縮には肺周囲の筋肉を用いています。
各呼吸法で使用する筋肉は以下の通り。
・複式呼吸法→横隔膜
・胸式呼吸法→肋骨筋
横隔膜というのは、胸部分とお腹部分の境目にある膜状の筋肉で、肋骨筋は肋骨の間(特に胸付近の筋肉を使用)にある筋肉です。呼吸を意識するとき、「お腹で吸えているかな?」ではなく、これら筋肉の動きを意識すると分かりやすいと思います。
複式呼吸法の原理について、図を用いて説明します。
息を吸う時
- 横隔膜が下がり、肺を広げます。
- 肺が広がり、肺の中のスペースに空きができます。
- 口から喉を通って、肺の空いたスペースに空気が流れ込みます。

息を吐く時
- 横隔膜が上がり、肺を縮めます。
- 肺が縮まり、肺の中の空気が押し出されます。
- 喉から口を通って、肺の中にあった空気が排出されます。

胸式呼吸法の原理は、横隔膜が肋骨筋に代わるだけです。ちなみに外からの呼吸法判別方法としては、
- 複式呼吸法では、横隔膜を使用するため、息を吸ったとき、お腹が膨らみます。
- 胸式呼吸法では、肋骨筋を使用するため、息を吸ったとき、胸が膨らみます。(又は肩が上がります)
音楽の先生がよく「お腹で息を吸いなさい」とか「お腹に力をいれて歌いなさい」というのは、「複式呼吸法で歌いなさい」という意味だったんですね。
ただし、複式呼吸法を行う上でお腹に力を入れることで横隔膜をきっちりと使うことができるようになりますが、溝おちに力を入れるのではなく、おへその下の辺り(丹田と言います)に力を入れるのがコツです。
複式呼吸法で歌うメリット
複式呼吸法で歌うことで、以下のメリットがあります。
- 声に強弱をつけやすく、メリハリの有る歌が歌える
- 息の量が安定するため、歌声が安定する
- キレイなビブラートを行う事ができる
(ビブラートのかけ方ですが、喉を使う方法と、横隔膜を使う方法があり、横隔膜を使う方法の方が安定感があり良いとされています。)
複式呼吸法の原理やメリットを理解しておくことで、歌うときに意識しやすくなると思いますので、簡単に覚えておくことをおススメします。
~Mash~
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